2017年イギリスでの工業畜産のありのままの映したドキュメンタリー映画、「land of hope and glory」を文章にしました。
この映画は何百時間もかけてアクテビティストが作成したものになります。
視聴には、年齢制限や、過激な映像も多々含まれているので、文章のみで内容がわかるようにしました。 映像でしか伝わらない部分は、文章で補完してます。
ドキュメンタリー映画「land of hope and glory」全文書き下ろし
以下、ドキュメンタリー映画「land of hope and glory」の全文書き下ろしです。
イントロ
英国の農業と聞いて 思い浮かぶのは
緑に覆われた美しい丘陵 —
そして安らかに憩う家畜たちの姿です
そのような伝統的な農業のイメージは広告を通して
私たちの頭に押し込まれ
私たちは消費者として
気分よく買い物ができるようになっています
しかし多くの人々は煙幕の向こう側にある
本当の英国の農業
地球や動物たちにとっての
非情な現実を知りません
英国の農業を本当に理解するためには
大企業の建前の後ろに
隠され続けてきた
真実を見なければなりません
目を開きましょう
政府や家畜業界は こうした映像を
あなたが見ないようにしています
これらの映像は例外的な場面を映しているのではなく
「放牧飼育」「オーガニック」などのラベルを貼られ
動物愛護団体などにも認定された
施設を映したものです
これは英国の畜産の現実です
英国では毎年10億もの家畜が 食品として
屠殺されています
私たちと同じように
動物たちも意識を持っています
私たちと同じように
自分たちが唯一の存在ではないことを知っています
私たちと同じように
かれらもそれぞれに感情を持つ生命です
『希望と栄光の土地』
豚
英国には約11,000の養豚場があります
そのうちの1,400ほどは1,000匹以上の豚を飼っており
全体の85%の豚を所有していることになります
それらの養豚場では豚は何の世話も同情も受けず
単なる”所有物”として扱われます
そこは美しい場所ではありません
自然光がないために 今が何時かもわからず
動物たちは 商品として生産され 殺されます
「放牧飼育」という言葉には
何の法的な定義もありません
つまりどのように飼育された豚も
「放牧飼育」として売ることができるのです
実際に放牧されて育つ豚は
全体の3%です
豚は犬と同じように賢く
感情の豊かな動物だと証明されています
しかし英国では誰も犬を食べようとはしません
悲しいことに英国で売られている豚肉のほとんどは
こうした恐ろしい養豚場で生産されています
ほとんどの豚は1mにも満たない空間に押し込められ
雌豚は分娩室に閉じ込められています
こうしたことが禁止されている国もありますが
英国においては未だに一般的です
分娩室は狭く 雌豚は身動きがとれません
分娩の時になると
最大5週間も閉じ込められます
ほとんどの雌豚は人工授精によって
常に妊娠させられています
強制的な妊娠と監禁は 何度も繰り返され
3年から5年 あるいは
雌豚が妊娠できなくなるまで続きます
その後 雌豚は安物の肉として屠殺され
ミートパイやソーセージなどになります
寝床やトイレなどはありません
豚たちは何週間も自分たちの糞にまみれ
感染症が蔓延しています
成長した豚だけが辛い思いをするのではありません
それは生まれた瞬間から始まります
野生の豚は 生まれて3ヵ月ほどは
お母さんと一緒に暮らします
しかし養豚場では子豚は1ヵ月もすれば
母親から引き離され
強力な抗生物質を注射されます
英国全体における抗生物質の半分は
家畜に対して使われ
そのうちの6割は豚に対してです
子豚は尻尾を切断され 歯を削られます
麻酔や痛み止めは処方されません
こうしたことは共食いを防ぐために行われます
高い知能を持つ動物が
辛い環境に閉じ込められると
頭がおかしくなり
共食いを始めてしまうのです
育ちの悪い子豚や 怪我をした子豚は
商品にならないため すぐ殺されます
子豚の処分にお金はかけられません
壁や床に叩きつけられたり
鉄の棒で殴られて殺します
こうした扱いは珍しいことではありません
豚たちが殴られ 虐待されている姿は
どこでも見られるものです
多くの豚が 深い傷を負いながら生き
屠殺場に行く前に死んでしまいます
屠殺の年齢に達した豚は
水も食べ物も与えられずに
トラックに詰め込まれ
トラウマになるような辛い旅をした後
何の同情もなく殺されます
輸送の途中で死んだ豚は
ゴミ箱に捨てられます
これからお見せする映像は
オーストラリアで撮影されたものですが
英国の豚の3分の1は
同じ方法で屠殺されています
これはガス室での屠殺です
豚たちは鉄の檻に誘導され
二酸化炭素が充満した部屋に入れられます
豚たちは30秒間
生きようともがいて 悲鳴を上げます
こうして屠殺された豚は
全国のスーパーマーケットで販売されています
これは 豚たちの喉を切る前に
電気ショックで気絶させる方法です
人道的な屠殺として認められています
しかし作業は急いで行われるため
実際には 毎年およそ180万匹が
意識のある状態で殺されています
牛
牛もまた人間と同じように
子供を育てるために乳を出します
子供を産んだ牛からしか
牛乳はとれません
そのため乳牛は牛乳の生産のために
毎年 妊娠させられます
人工授精です
牡牛から採られた精子は
人工的に子宮に注入されます
業者はまず牝牛の尻に腕を突っ込み
子宮頚をつかんで
そこに針を差し込んで精子を入れます
通常 子牛は9ヵ月から1年は
母親と一緒に過ごしますが
牧場の子牛は3日以内に引き離されます
より多くの牛乳を とるためです
母子にとっては とても辛い経験で
牛たちは何日も叫び続けます
子牛が雌だった場合には
かの女は狭い独房に移されます
法的には8週間の収容とされていますが
実際には6か月に渡ることもあると
記録されています
子牛は母親と同じ運命を辿ります
人間に牛乳を提供するために
何度も人工授精を経験します
搾乳は過酷です
牛たちは自然に出る量の10倍の牛乳を搾られ
英国全体の30%の乳牛は
乳腺炎などの病気に感染します
牛の寿命は25年ですが
ここでは4~6年経つか あるいは身体が弱ればすぐに
牛は屠殺場に送られます
乳牛は殺されないというのは誤解です
全ての乳牛は屠殺されます
毎年およそ15万匹の牛が
妊娠したまま殺されています
雄の子牛には商品価値が無いため
毎年9万匹の雄の子牛が
生まれてすぐに射殺され
"副産物"として廃棄されています
射殺されなかった子牛は
"子牛肉"として育てられます
そうした子牛は長く辛い旅の後に
どこかの外国か
あるいは英国内の屠殺場で殺されます
食肉に適した子牛はオークションにかけられ
牧場に買われていきます
多くの子牛は去勢された後
角が伸びないようにするために
焼きごてを押し当てられます
乳牛は足が不自由になったり
床擦れになったりします
英国の乳牛の半分は
そうした怪我に苦しんでいます
繰り返される強制的な出産のために
骨盤を損傷した乳牛は
鎖を付けられます
従業員が乳牛を蹴飛ばし 殴り
産まれたばかりの子牛を
投げ捨てている姿も撮影されています
「じっとしてろ!」
「むかつくんだよ このクソ野郎」
「はやく横になれっつってんだろうが」
「起きろよ クソばばあ」
英国で売られている牛肉の半分は
こうした乳牛たちで
もう半分が食牛として育てられた牛です
牧場と聞けば 緑に覆われた
平和な場所を想像しますが
実際には ほとんどの牛は家畜小屋に閉じ込められ
限界状況に置かれ
外には出られません
成長した牛はトラックに乗せられ
屠殺場に運ばれます
牛たちは一匹ずつ小部屋に入れられ
そこでパニック状態になります
牛たちは頭にボルトを打ち込まれ
意識不明にさせられた後
喉を切られ 吊り上げられます
5%から10%にかけての牛は
うまく気絶せず
何度もボルトを打ち込まれます
それでも気絶しない場合は
意識のあるまま喉を切られます
鳥
英国では ニワトリ カモ 七面鳥など
毎年9億5千万羽の鳥たちが屠殺されています
90%のニワトリは室内で飼育されますが
一つの小屋に2万から5万羽を収容する
過密した環境です
ヒヨコはすぐに小屋に移され
死ぬまで外に出られません
ニワトリが餌をたくさん食べて太るように
小屋は薄暗い状態に保たれます
人工交配と遺伝子操作の結果
現代のヒヨコは41日で食用のニワトリに育ちます
野生であればまだ
お母さんの羽に守られているはずの年齢です
カモや七面鳥も同じです
95%のカモ 90%の七面鳥は
窓のない小屋に入れられ
過密した状態で育てられます
不自然な成長は鳥たちを苦しめます
骨は重みに耐えられずに折れ
水を飲むことも立つこともできなくなります
動けなくなった鳥は しばしば
ほかの鳥たちに生きたまま食べられます
そして動けないまま
脱水症状に陥り 餓死します
さらに多くの鳥は屠殺の年齢に達する前に
臓器障害によって死にます
小屋が掃除されることはなく
糞に覆われた地面は
病気が蔓延するために最適な環境となります
鳥たちの足は腐り
糞によって感染症を引き起こします
死んだ鳥たちは放っておかれるか
ゴミ箱に投げ入れられます
成長した鳥は屠殺場に運ばれます
作業を手早く終わらせるため
鳥たちは乱暴にカゴの中に投げ込まれます
大急ぎで行われる作業の中で
鳥たちの足や羽は折れ
頭は潰れ 腰は脱臼します
鳥たちは激痛に耐えながら運ばれます
狭いカゴの中には水も食べ物もありません
これはかれらが産まれて初めて
日の光と外の空気に触れる機会ですが
劣悪な環境や精神的苦痛によって
毎年 何百万もの鳥たちが
この旅の途中で死にます
生き残った鳥たちは逆さ吊りにされ
水桶の中で 激痛を伴う電気ショックを受け
意識を失います
しかし 多くの鳥は水に触れず気絶しません
意識を取り戻す鳥もいます
かれらは意識のある状態で喉を切られます
その後かれらは羽根を毟りやすくするために
高熱の窯に入れられます
およそ840万羽はこの段階でも
まだ生きており
生きたまま茹でられます
卵
卵産業のおぞましい現実は
生産過程の一番初めから始まります
卵産業のために育てられるニワトリの場合
雄は食用にも適しません
繁殖のために必要な雄はごく少数です
そのため雄のヒヨコは
産まれてすぐに殺処分されます
英国では毎年 4千万羽のヒヨコが
産まれてすぐに殺されていると考えられています
雌のヒヨコはくちばしを削られ
卵を産むための小屋に送られ
生涯そこから出られません
自然のニワトリは1年に
10から20の卵を産みますが
ここのニワトリは1年に300ほど産みます
英国では毎年100億個の卵が生産されており
約半分はケージに閉じ込められた雌鶏が産んでいます
バタリーケージは2012年に禁止されましたが
エンリッチドケージは許可されたままです
エンリッチドケージはバタリーケージと比べて
1羽につきハガキ1枚分ほどは広いのですが
どちらにせよ
ニワトリが羽を広げられるほどの広さはありません
日も入らず 風も吹かないケージの中では
走ることも飛ぶこともできません
”放し飼い”というラベルのついた卵が
幸せなニワトリたちから産まれている
というのは誤解です
放し飼いと言われているニワトリたちもまた
狭い場所に押し込められて生きています
一つの建物につき1万6千羽を
飼うことが許可されているので
1m四方につき9羽の計算になります
放し飼いのニワトリたちも結局は
身動きが取れない狭い空間で生涯を送るのです
過密な放し飼い農場では
共食いを防ぐため
ニワトリたちは痛み止めもなしに
くちばしを切除されます
くちばしの切除は激痛を伴うため
多くの国で禁止されていますが
英国では今も一般的です
卵を産むとカルシウムが失われるため
多くの雌鶏は骨粗鬆症になり
45%が骨折を経験します
ほとんどのニワトリはストレスやシラミの影響で
羽が抜け落ちてしまい
怪我をして 感染症にかかっています
食用のニワトリと同じように
多くが病気で死に
腐り果て ゴミ箱に投げ捨てられます
72週間後
あるいは卵を産む効率が落ちた場合
かれらは屠殺場に運ばれます
毎年こうして4千万の雌鶏が
ガスで あるいは電気ショックにかけられ
吊るされて首を切られることによって
屠殺されています
羊
”羊飼い”と聞けば
何となく のどかなイメージがありますが
現実には 切断手術や
感染症の蔓延から成り立つ業界です
子羊たちは様々なものを切除されます
まず雄の子羊は性器の付け根を
太いゴム紐で縛られ
性器が鬱血し 腐り
自然に落ちるまで放置されます
この方法は激痛を伴いますが
痛み止めは処方されません
尻尾も同じ方法で切除されます
食用の小ヤギも同じ方法で
性器と尻尾を切除され
耳にはタグが付けられ
角は削られます
ほとんどの羊は感染症にかかり
乳腺炎や足の不自由に苦しみます
英国全体の羊の95%が
細菌症にかかっていると考えられています
生後4か月から半年も経てば
トラックに詰め込まれ
屠殺場に運ばれます
他の家畜たちと同じように
羊たちも輸送の途中で死にます
毎年およそ1400万の羊やヤギが
意識のあるままハラル肉として殺されています
多くの人々が
このイスラム式の屠殺に反対していますが
そうと知らずにラベルの貼られていない
ハラル肉を買ってしまっています
その他の一般的な屠殺場では
羊は喉を切られる前に
電気ショックで気絶させられます
しかし毎年400万匹の羊が
意識のあるままに殺されていると考えられており
結局はハラル肉もそうでない肉も
さして変わりありません
流れ作業の中で 正確に
羊を気絶させるのは 難しいのです
最後に
動物たちも人間と同じように痛みを感じます
居心地のよい安全な場所を求め
痛みのない生活を求めます
命の価値は知能や外見によってのみ決まるのではなく
生きとし生けるものは平等です
必要のない苦しみを与えることは
決して正当化できません
食事や衣装などのために動物たちを殺すことは
決して正当化できません
この社会ではそれらが無くても生きられるからです
”人道的な屠殺”というものがあるかのように
信じられていますが
「死にたくない」と思っている動物を殺すこと自体
何も人道的ではありません
”人道的な屠殺場”などについて
空想するのはもう止めましょう
動物たちの自由を奪い 身体を切断し
子供たちを奪い 命を奪うことは
必ず搾取や虐待を伴います
私たちは知らず知らずのうちに
動物たちに苦しみを与えています
だから商品がどのようにして
作られているのかを知ることは
動物たちだけでなく
私たち自身にも自由を与えます
もうあなたは
「でも知らなかったんだ」とは言えません